質問<3376>2006/9/12
from=地蔵
「三角関数」


三角形ABCにおいて、tanA.tanB.tanCの値が全て整数であるとき、
それらの値を求めよ。

★完全解答希望★

お便り2006/9/16
from=平 昭


 こんにちは。ちょっと面白い問題ですね。
 こういう条件を満たす三角形があるとは知りませんでした。
 三角関数の加法定理を習っていないと、解くのはたいへんかもしれませんね。

  三角形ABCにおいて、 0<角A<角B<π/2として一般性を失わない。
(π/2以上の角が二つあることはないから。)
 この時、0<tanA<tanB
さて、
tanC=tan(π-A-B)
    =-tan(A+B)
  =(tanA+tanB)/(tanAtanB-1)
 tanA、tanBは正だから、tanA+tanB>0、tanAtanB-1≧0であり、
上の式の値が整数になるには、分子≧分母>0、つまり

tanA+tanB≧tanAtanB-1>0、、、★

が必要となる。左側の不等式を変形して

(tanA-1)(tanB-1)≦2

ここで、tanA、tanBは正の整数だから、
左辺の値として可能性があるのは、
(tanA-1)(tanB-1)=0、、、①
(tanA-1)(tanB-1)=1、、、②
(tanA-1)(tanB-1)=2、、、③
の3通り。

①の時、A≦Bから、tanA=1で、
tanC=(1+tanB)/(tanB-1)
  =1+ 2/(tanB-1)
これが整数になる条件は、tanB=2、またはtanB=3
	 
結局①の時、
    tanA=1、tanB=2、tanC=3
または tanA=1、tanB=3、tanC=2
②は★を満たさず不適。
③の時、tanA=2、tanB=3で、この時tanC=1

 以上まとめると、題意を満たすのは、3つの角のtangentが
それぞれ1、2、3となる時である。