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お忙しいところまた質問です。すみません。 f(x)、g(x)は区間-1≦x≦1で微分可能であるとする。
また、f(0)=0をみたし、
つねに|g(x)|≦f(x)をみたすとする。
①f(1)=1、f’(x)は定関数でないとするとき f(a)<aまたはf(a)>aとなるa(0<a<1)が
存在することを示せ。 また、 f’(b)<1またはf’(c)>1となるb,c(0<b<1、0<c<1)
が存在することを示せ。
②g’(0)=0を示せ。
お返事2000/11/28
from=武田
未解決問題になっていたところ、マスマニアさんから有り難いアドバイ スをいただきました。
お便り2001/3/20
from=マスマニア
問1 h(x)=x-f(x)と 置くと f(x)は -1≦x≦1で微分可能であ るので この区間において連続であるといえるので h(x)もまたこの 区間において連続である 今 h(0)=0かつ h(1)=0である 任意のxにおいてh(x)=0と仮定すると f(x)=xであるので f`(x)は定関数となり 矛盾する 。よって f(x)=x ではない つまりh(x)は直線y=0ではない h(0)=0かつ h(1)=0であり h(x)は 連続であり h(x)は直線y=0ではないとすれば h(a)>0 または h(a)<0 となる a(0<a<1)は必ず存在する (h(x)の図を書いてください かけばわかります) つまりh(a)=a-f(a)>0 または h(a)=a-f(a)<0 となるaが存在する さらに書き直すと f(a)<aまたはf(a)>aとなるa(0<a<1)が 存在する。 f’(b)<1またはf’(c)>1となるb,c(0<b<1、0<c<1) が存在することを示す。 さっき証明したのでf(a)<aまたはf(a)>aとなるa(0<a<1)が 存在する。これをうまく利用する f(a)<aの時 平均値の定理より f(a)-f(0)/a-0=f`(b) となる(0<b<1)f`(b)が存在する。 f(a)<aより f(a)-f(0)/a-0=f(a)/a<1 である よってf`(b)<1 (0<b<1) であるbが存在する。 同様に f(a)>aのとき さっきの bをcに書き直し f(a)>aを考えれば f’(c)>1となるc(0<c<1)が存在する
お便り2001/3/22
from=マスマニア
問2
涼子さんの問題 の問2の答えができましたので送ります
f(x)、g(x)は区間-1≦x≦1で微分可能であるとする。
また、f(0)=0をみたし、
つねに|g(x)|≦f(x)をみたすとするとき
②g’(0)=0を示せ。について
 題意より|g(x)|≦f(x)⇔   -f(x)≦g(x)≦f(x)
 であり、かつ   f(x)≧0 である
-f(x)≦g(x)≦f(x)を用いて g`(x)を作る
微分の定義式を意識して 
-{f(x+h)+f(x)}/h ≦{g(x+h)-g(x)}/h≦{f(x+h)+f(x)}/h
左辺と右辺をさらに微分の定義式を意識したものとしてつくる
f(x+h)+f(x)=f(x+h)-f(x)+2f(x)より
-{f(x+h)-f(x)+2f(x)}/h ≦{g(x+h)-g(x)}/h
≦{f(x+h)-f(x)+2f(x)}/h 
この左辺 中辺(?)右辺の全てにlim  を考えると
                               (h→0)
   -f`(x)≦g`(x)≦f`(x)  が成立する
   また -f(x)≦g(x)≦f(x)かつf(0)=0より
   -f(0)≦g(0)≦f(0)⇔ 0≦g(0)≦0  よりg(0)=0
任意のxにおいて   -f`(x)≦g`(x)≦f`(x)であるので
f`(x)≧0であり、かつ f(0)=g(0)=0  
であり-f(x)≦g(x)≦f(x)であり g(x) f(x)共に連続
 なので
f(-1)=g(-1)= f(0)=g(0)=0 であり -1≦x≦0の区間における
任意のxにおいて 
-f`(x)=g`(x)=f`(x)=0 が成立する(図をかいてください
 かかないとおそらくわかりません)
つまり g`(0)=0は成立する
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補足説明
-f`(x)≦g`(x)≦f`(x)であるのでf`(x)≧0であり
かつ f(0)=g(0)=0  であり-f(x)≦g(x)≦f(x)であり
g(x) f(x)共に連続
 なので  f(-1)=g(-1)= f(0)=g(0)=0 であり  この時点で
 片側微分係数   lim f`(x)=g`(x)=0であるとわかる。
(片側微分係数とは h→-0
ある点への片側からちかずいたときの傾きである)
  今はじめの題意より
f(x)、g(x)は区間-1≦x≦1で微分可能であるとすると書
いてある。
微分可能とはつまり ある点の左右両方からの片側微分係数が存在し
かつ一致する事と同値であるといえる
 つまり
lim f`(x)=g`(x)=0 でかつ lim f`(x)=g`(x)=0
h→-0               h→+0
が成立するということである。これはまさに
lim f`(x)=g`(x)=0 ⇔f`(0)=g`(0)=0を示している
h→0      
にほかならない
 
 
 
 
