質問<2903>2006/2/3
定点Aを中心とする定円の内部に定点Bがある。点Bを通り、 この円に接する円の中心Pの軌跡は、だ円となることを証明せよ。 某出版社の代数・幾何入門基礎シリーズの問題だからとなめて かかっていましたが、1週間考えてできません。;_; どうぞよろしくお願いいたします。 # 解答例のせて欲しかった…>J出版 ★希望★完全解答★
お便り2006/2/4
from=angel
Aを中心とする定円の半径を R とする。 定円に内接する円の中心が P、半径が r の時、 AP + r = R 今、内接する円がBを通るとき、 r = BP すなわち、 AP + BP = R よって、P は A, B を焦点とする楕円上にある。 逆に、A, B を焦点とし、長径が R となる楕円上の任意の点 X に関して、 AX + BX = R よって、B を中心とし、半径が BX に等しい円は、定円に内接する。 以上より、P の軌跡が楕円であることが証明された。
お便り2006/2/6
from=/で
ありがとうございます。 あまりにあっさりした解答にキツネにつままれた思いです。^^; # 「逆に~」からの部分はもうひとつ理解できていませんが… ちなみに私は、パラメータを使った計算に固執して頓挫しています。 不躾で申し訳ありませんが、それについてもご教授いただけたらと思い、 再質問します。 定点A(0,0)、定円Aを (x^2)+(y^2)=1、(Rは面倒なので1としました) 定点B(b,0)、Cを定円Aの円周上の点、線分ACとx軸のなす角をθ、 TをBCの中点とすると、P(x,y)は、線分BCの垂直二等分線と 半径ACの交点ですから、直線ACと直線PTの連立方程式を解いて、 x = {(1-b^2)cosθ}/2(1-bcosθ) y = {(1-b^2)sinθ}/2(1-bcosθ) となるのですが、ここからsinθ、cosθがうまく消せずにいます。 パラメータで解くのは常とう手段だと思うので、このやり方でも 解決しておかないと、すっきりしません。 どうかよろしくお願いいたします。
お便り2006/2/7
from=angel
失礼しました。 「逆に~」の部分の訂正です。 誤:よって、B を中心とし、半径が BX に等しい円は、定円に内接する。 正:よって、X を中心とし、半径が BX に等しい円は、定円に内接する。 さて、パラメータ計算ですが、かなりの計算量になることを覚悟して下さい。 ですので、計算は、なるべく分数を使わない方向でいくことをお勧めします。 一応、直線の式を求める所から。 ----- AC:sinθ x - cosθ y = 0 …(1) BCの垂直2等分線:(cosθ-b)(2x-cosθ-b)+sinθ(2y-sinθ)=0 まとめて、2(cosθ-b)x + 2sinθ y = 1-b^2 …(2) (1)・2sinθ+(2), (2)・sinθ-(1)・(cosθ-b) それぞれから 2(1-bcosθ)x = (1-b^2)cosθ …(3) 2(1-bcosθ)y = (1-b^2)sinθ …(4) (3)^2+(4)^2 より、 4(1-bcosθ)^2(x^2+y^2) = (1-b^2)^2 …(5) (3)をcosθについてまとめて、 (1+2bx-b^2)cosθ=2x 両辺を(-b)倍して、(1+2bx-b^2)を足すと (1+2bx-b^2)(1-bcosθ) = 1-b^2 …(6) (5)・(1+2bx-b^2)^2 に (6)を代入 4(1-b^2)^2(x^2+y^2) = (1-b^2)^2(1+2bx-b^2)^2 |b|<1より、1-b^2≠0のため、両辺を(1-b^2)で割って 4(x^2+y^2) = (2bx+(1-b^2))^2 4(1-b^2)x^2 - 4b(1-b^2)x + 4y^2 = (1-b^2)^2 4(1-b^2)(x-b/2)^2 + 4y^2 = (1-b^2)^2 + 4(1-b^2)・b^2/4 = 1-b^2 4(x-b/2)^2 + 4y^2/(1-b^2) = 1 ※この図形は、中心(b/2,0)、半長径 1/2、半短径 1/2・√(1-b^2) で、 長軸が x軸に一致する楕円 ※焦点は、中心から距離 b/2 ( √(半長径^2-半短径^2) ) のため、 焦点(0,0), (b,0) ----- 前半終わり ----- ※後半は、実際にBを通る円を作って、定円に内接することを確かめます。 ※共有点(接点)が何処にできるかを見越して、それに誘導するように変形を 行います。そうでないと計算が大変。 逆に、4(x-b/2)^2 + 4y^2/(1-b^2)=1 上の任意の点 X( (b+cosφ)/2, (sinφ√(1-b^2))/2 ) に対し、 d = AX と置くと、 d^2 = 1/4・( b^2 + 2bcosφ + (cosφ)^2 + (1-b^2)(1-(cosφ)^2) ) = 1/4・( 1 + 2bcosφ + b^2(cosφ)^2 ) = 1/4・( 1+bcosφ )^2 ゆえに、d = 1/2・(1+bcosφ) (∵|b|<1, |cosφ|≦1 より、1+bcosφ>0)、d>0 あるαが存在して、 (b+cosφ)/2 = dcosα (sinφ√(1-b^2))/2 = dsinα Xを中心とし、Bを通る円は (x-dcosα)^2 + (y-dsinα)^2 = (b-dcosα)^2 + (0-dsinα)^2 x^2 - 2dxcosα + y^2 - 2dysinα = b^2-2bdcosα b^2-2bdcosα = b^2 - b(b+cosφ) = -bcosφ = 1-2d よって、円の方程式は、 x^2 - 2dxcosα + y^2 - 2dysinα = 1-2d …(6) この円と、x^2+y^2=1 の共有点を求める。 x^2+y^2=1 から、(6)辺々を引いて、 2dxcosα + 2dysinα = 2d d>0より 2xcosα + 2ysinα = 2 … (7) x^2+y^2=1 から、(7) を辺々引いて x^2 - 2xcosα + y^2 - 2ysinα = -1 = -(cosα)^2-(sinα)^2 (x-cosα)^2 + (y-sinα)^2 = 0 ゆえに、(x,y)=(cosα,sinα)であり、2円は1共有点のみを持ち、確かに接する。 Bは定円の内側にあるため、Bを通る円が定円に内接している。 よって、4(x-b/2)^2 + 4y^2/(1-b^2)=1 上の任意の点を中心とし、Bを通る円は、 定円に内接する。 --- 後半終わり --- よって、内接円の中心の軌跡は、楕円 4(x-b/2)^2 + 4y^2/(1-b^2)=1
お便り2006/2/8
from=/で
煩雑な計算を丁寧に解説いただき、ありがとうございました。 お蔭様ですっきりしました。 ところで、 「逆に~」の部分がもうひとつ理解できていない、の意味ですが、 そもそも「逆に~」という説明は、加えなければいけないものなのか、 恐らく、必要・十分条件の考えがあってのことでしょうが、 私にはそこまでの理解が及んでいない、というつもりでした。 私の試験答案は、前半の8行だけで終了してしまうと思ったので。(^^ゞ 言葉足らずで、アゲアシをとったみたいになってしまい、 すみませんでした。(_o_)