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武田先生こんにちは。
この前の質問ご解答ありがとうございます
極限の手計算タイプの問題はほぼ完璧になりました
それで今回は数学Cの行列でつまったところがあるので
おしえていただけないでしょうか。
[1997 弘前大学]
行列の問題は対角比によって解決されることが多い
対角比とは行列Aに対し逆行列を持つ行列Bをみつけ
{(B^-1)・AB}の(1.2)(2.1)成分を0にすることである
そのとき行列
 
  (a  b)
A=(c  d)
に対して方程式
x^2-(a+d)x+ad-bc=0の解は対角比と深くかかわっている
たとえば
  (4  -1)
A=(1   0)
を対角比化してみよう。このとき上記の方程式
x^2-4x+1=0の解をα、β(α>β)とし
次の行列
  
  (x1)      (y1)      
X=(x2)    Y=(y2)
  (x1  y1)
B=(x2  y2)       を考える
(1)
AX=αX , AY=βY を満たすOでないX,Yをそれぞれ一つ
求めよ
(2)
       (α 0)
{(B^-1)・AB}=(0 β)   を示せ
(3)
行列A^nの各成分をα、βの式であらわせ
ただしnは自然数
お返事2000/12/7
from=武田
(4 -1) 問題の意図をつかみかねるが、取りあえずA=(1 0)として、 以下の問に答える。 問1 x2 -(4+0)x+4・0-(-1)・1=0 x2 -4x+1=0の解を求め、それをα、βとおくと、 {α=2+√3 {β=2-√3 AX=αXより、 (4 -1)(x1 )=(2+√3)・(x1 ) (1 0)(x2 ) (x2 ) 4x1 -x2 =(2+√3)x1 x1 =(2+√3)x2 したがって、 X=(x1 )=((2+√3)x2 )=(2+√3)x2 (x2 ) ( x2 ) ( 1 ) 両辺にx2 ができるので、x2 で割ると、Xとして0でない 行列X=(2+√3)ができる。} ( 1 ) } AY=βYも同様にやると、 }……(答) 行列Y=(2-√3) } ( 1 ) } 問2 上のXとYを組み合わせて行列Bを作ると、 行列B=(X Y)=(2+√3 2-√3) ( 1 1 ) 逆行列B-1を求めると、 detB=(2+√3)・1-(2-√3)・1=2√3 1 ( 1 -2+√3) B-1=───( ) 2√3( -1 2+√3) したがって、 1 ( 1 -2+√3)(4 -1)(2+√3 2-√3) B-1AB=───( )( )( ) 2√3( -1 2+√3)(1 0)( 1 1 ) 1 ( 1 -2+√3)(7+4√3 7-4√3) =───( )( ) 2√3( -1 2+√3)( 2+√3 2-√3) √3(6+4√3 0 ) =──( ) 6( 0 -6+4√3) (2+√3 0 ) (α 0) =( )=( ) ……(答) ( 0 2-√3) (0 β) 問3 (B-1AB)n =(B-1AB)(B-1AB)(B-1AB)……(B-1AB) n番目 =B-1An B (B-1AB)n =(α 0)n =(αn 0) (0 β) (0 βn ) したがって、 An =B(αn 0)B-1 (0 βn ) 前に出てきた行列Bをα、βで表すと、 B=(α β) (1 1) よって、 1 (1 -β) B-1=───( ) α-β(-1 α) したがって、 (α-β)An =(α β)(αn 0)(1 -β) (1 1)(0 βn )(-1 α) =(α β)( αn -βαn ) (1 1)(-βn αβn ) =(αn+1 -βn+1 -βαn+1 +αβn+1 ) ( αn -βn -βαn +αβn ) ∴An =(αn+1 -βn+1 -βαn+1 +αβn+1 ) (────── ──────────) ( α-β α-β ) ( ) ( αn -βn -βαn +αβn ) (────── ──────────) ( α-β α-β )……(答)
 
 
 
 
