質問<172>99/8/29
(1)A、B、Cそれぞれ6人のチームから6人を選ぶ時、少なく とも1チームに1人以上出る確率は? (2)2つのさいころを振り、偶数がでると、その数の分すすみ、 奇数のときは、一回休みのすごろくがある。平均は? (3)82S+17R=1を満たす整数は?
お返事99/8/30
from=武田
問1この選び方は、重複組合せで求めることができる。 公式 nHr=n+r-1Cr A,B,Cの3つの文字から6回重複を許して取り出す場合 の数は 分母=3H6=3+6-1C6 =8C6=8C2 =28通り A,B,Cの3つの文字から最低1回は取り出し、残り3回 分を重複を許して取り出す場合の数は 分子=3H3=3+3-1C3 =5C3=5C2 =10通り 10 5 確率=──=──……(答) 28 14 (追伸)このやり方は典型的な誤りの方法でした。つまり、 人間を異なる要素と見ないで、文字A,B,Cのような没個性 として同一視してしまったところにあります。正解は関谷敏雄 先生からアドバイスを頂いていますので、下をご覧下さい。 (-_-;) 問2 2つのサイコロA,Bの出方が A B 奇 奇→偶……(a) 奇 偶→奇……(b) 偶 奇→奇……(c) 偶 偶→偶……(d) (a)の場合は、2つ目の合計だけ進む。A B 1+1=2より、確率は1/6×1/6=1/36 1+3=4と3+1=4より、2/36 3+3=6と1+5=6と5+1=6より、3/36 3+5=8と5+3=8より、2/36 5+5=10より、1/36 したがって、 (2×1+4×2+6×3+8×2+10×1)/36 =54/36 (b)の場合は、一回休みなので、0×3/6×3/6=0/36 (b)と同様に (c)の場合は、一回休みなので、0×3/6×3/6=0/36 (a)と同様に (d)の場合は、2つ目の合計だけ進む。 A B 2+2=4より、確率は1/6×1/6=1/36 2+4=6と4+2=6より、2/36 4+4=8と2+6=8と6+2=8より、3/36 4+6=10と6+4=10より、2/36 6+6=12より、1/36 したがって、 (4×1+6×2+8×3+10×2+12×1)/36 =72/36 2つのサイコロを振ったときの前に進む期待値は 54 0 0 72 126 ──+──+──+──=───=3.5……(答) 36 36 36 36 36 サイコロを振るのが2回目の期待値は5.25 サイコロを振るのが3回目の期待値は7.875 問3 82S+17R=1(不定1次方程式)の解き方は暗号作り の計算にとっては大切な計算のようですが、うっかり忘れて しまいました。 そこで、強引な計算で解いてみました。 82S+17R=1 17(4S+R)+14S=1 14(5S+R)+3(4S+R)=1 3(24S+5R)+2(5S+R)=1 2(29S+6R)+(24S+5R)=1 と、右側の( )の前の係数が1になるまで変形していきま す。 そこで、左側を29S+6R=n(nは整数)とおく。 右側24S+5R=1-2n この2式を連立して、 ┏29S+6R=n ┗24S+5R=1-2n したがって、 ┏S=17n-6 ┗R=29-82n(ただし、nは整数)……(答) 例えば、n=1のとき、S=11,R=-53 nは整数なので、無数に解はある。
お便り99/8/31
from=関谷敏雄
(1) 次のような解答を得ました。先生の答えと結果が違うのですが、 どうなのでしょうか? 解答 全体で18人いるので、そこから6人を選ぶ方法は、 18C6 = 18564 である。 「各チームから少なくとも1人出す」の余事象を考える。 余事象は、「少なくとも1つのチームからは選ばれない」 である。これは、次の3つのケースに分けられる (1) Aから選ばれず、BまたはCの12人から選ぶ 12C6 (2) Bから選ばれず、CまたはAの12人から選ぶ 12C6 (3) Cから選ばれず、AまたはBの12人から選ぶ 12C6 ところが、(1)と(2)の方法では、「Cだけから6人選ぶ」 という方法がダブってしまっている。同様に(2)と(3)では 「Aだけから6人選ぶ」、(3)と(1)では「Bだけから6人 選ぶ」がダブっている そこで、(1)、(2)、(3)の合計から今のダブりの場合 の数3を引かなければならない 3×12C6 - 3 = 2769 よって、求める確率は 1 - 2769 / 18564 = 405 / 476 (補足)先生の場合分けだと、Aから6人選ぶ場合を1通り、A から5人Bから1人選ぶ場合も1通りご数えていると思います。 私の方法では前者は1通りですが、後者は36通りと見ています (Aから5人選ぶ方法が6通り、Bから1人選ぶ方法が6通りで 計36通り)。そのへんの違いがあるのかと思うのですが... (3) 不定方程式ですが、高木貞治 著 「初等整数論講義」のはじめ の方にこのような不定方程式の解き方がでています。