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再び、ご面倒かけます。分かりません。教えてください。 次の問題です。 n∈N、a∈Z(nは1つに固定しておく) C(a)={x|x∈Z、x≡a(modn)}は、 合同による同値類であるが、「C(a)⊆C(b)、 C(a)⊇C(b)」を示すことによって、 次の証明をしなさい。 「b∈C(a)⇒ C(a)=C(b)」
お便り2003/12/3
from=T.Kobayashi
群: 演算で閉じている、結合法則、単位元の存在、逆元の存在。
H が群 G の部分群(同じ演算で群になっている)のとき、
G の元 x に対して、
        xH := {xh; h は H の元}
を H による剰余類という。x を xH の代表元という。
[定理]
y が xH の元ならば、yH = xH 。
[証明]
xH の任意の元 y に対して、H の元 h が存在して、
        y = xh ..(1)
と書ける。
z が yH の元であるとき、H の元 h' が存在して、
        z = yh'
と書ける。(1)より、
        z = xhh' = x(hh')
で、hh' は H の元だから、z は xH の元である。
つまり、
        yH は xH の部分集合である。
また、w が xH の元であるとき、H の元 h" が存在して、
        w = xh"
と書ける。ところで、(1)の両辺に右から h~ (h の逆元)を掛けると、
        yh~ = x
よって
        w = yh~h" = y(h~h")
で、h~h" は H の元だから、w は yH の元である。
つまり、
        xH は yH の部分集合である。
以上まとめれば、
        yH = xH
が言えた。(証明終)
# 群論の基本定理の一つ!
 
 
 
 
