質問<410>2001/2/26
from=原田佳彦
「不等式の証明」


数学の問題で去年明治学院で出題された問題だそうです.不等式
の問題と思うのですが・・・教えて下さい.

問1
m,nを正の整数とする.mをnで割ったときの余りは,
mを2nで割ったときの余りよりも大きくならないことを
証明せよ.

問2
負でない4つの実数a,b,a’,b’が不等式
       a+ルートab+b>=1
       a’+ルートa’b’+b’>=1
を満たすとき、0<=t<=1である任意のtに対して
       x=ta+(1-t)a’
       y=tb+(1-t)b’
とおくと、
        x+ルートxy+y>=1
が成り立つことを示しなさい。   

忙しいとは思いますがよろしく願います。


お返事2001/2/27
from=武田


問1
m÷n=a余りbより、n>b>0
m=na+b……①

m÷2n=c余りdより、2n>d>0
m=2nc+d……②

①②より、
na+b=2nc+d
-2nc+na+b-d=0
^^^^^^^
2nの合同式を考えて、
na+b-d≡0(mod 2n)……③

(i)aが偶数の時
    a=2e を③に代入すると、
    n(2e)+b-d≡0(mod 2n)
    2ne+b-d≡0(mod 2n)
    ^^^^^
    b-d≡0(mod 2n)
    b≡d(mod 2n)……④

(ii)aが奇数の時
    a=2e+1 を③に代入すると、
    n(2e+1)+b-d≡0(mod 2n)
    2ne+n+b-d≡0(mod 2n)
    ^^^^^
    n+b-d≡0(mod 2n)
    n+b≡d(mod 2n)……⑤

④⑤より、余りbは余りdよりは大きくはならない。……(答)


問2
3つの点A(a,b),B(a′,b′),P(x,y)が同じ不等式
x+√(xy)+y≧1……①
が表す領域の範囲内にあるし、

3つの点A,B,Pの関係は、線分ABを(1-t):tに内分する点が
Pとなる。

したがって、①の範囲内にある2点A,Bを結ぶ線分ABを
(1-t):tに内分する点Pが、この①の範囲内にあることを示せば
よい。

不等式①を変形すると、
相加・相乗平均
x+y
───≧√(xy)
 2
より、
x+y≧2√(xy)を代入すると、
左辺=x+√(xy)+y
   =x+y+√(xy)
   =2√(xy)+√(xy)
   =3√(xy)≧1←右辺
両辺を2乗して、
9xy≧1

    1
∴y≧── ……②
   9x

②の領域は、赤色部分のような凸領域となるので、
この領域内にある2点A(a,b)とB(a′,b′)を結んだ
線分ABを(1-t):tに内分する点P(x,y)は、②の領
域内にあるのは自明である。……(答)

※凸領域内の2点間の内分点がその領域に含まれることが自明で
あることの証明についてはよく分からない。「自明」とは、見て
明らかなことを言うと思う。