質問<397>2001/1/23
1、一辺の長さが3の正方形Sがある。半径rの円板Cと 半径1の円板Dを重なりがないようにSの中で動かす とき、Cが通過し得る部分の面積を求めよ。 ただし、0<r<1/2とする。 2、三角形ABCにおいて、 → → → → AB・AC=8 BA・BC=12 が成り立っている。 (1)辺ABの長さを求めよ。 (2)さらに、三角形ABCの外接円の半径が√10 であるとする。このとき、辺AC、BCの長さを求 めよ。 以上です。宜しくお願いします。
お返事2001/1/24
from=武田
問1一辺3の正方形Sの中に円板CとDを動かして、Cは半径rを0<r<1/2 の間を伸び縮させて動き回ると、いろいろな部分に面積をとることが出来る。 しかし、半径1の円板Dの4隅に取った円の共通部分はどのようにDが動き回 っても円板Dの中にあるので、
円板Cが動き回れる面積は、この赤色の部分以外の面積となる。 赤色の部分の面積を求めると、 π ─+1-√3 3 ↑下にお便りを頂いた岡崎さんから符号の誤りを指摘されましたので、 もう一度、積分してみたところ、誤っていましたので、訂正しました。 感謝!! したがって、 π π S=9-(─+1-√3)=8+√3-─ ……(答) 3 3 ≒8+1.732-1.047=8.685 小数化すると 問2
─→ ─→ AB・AC=8より、bccosθ=8 a2 =b2 +c2 -2bccosθ =b2 +c2 -2×8 =b2 +c2 -16……① ─→ ─→ BA・BC=12より、accosψ=12 b2 =a2 +c2 -2accosψ =a2 +c2 -2×12 =a2 +c2 -24……② ①+②より、 a2 +b2 =b2 +a2 +2c2 -40 2c2 =40 c2 =20 c>0より、 ∴c=2√5……(答) ※またまた、岡崎さんからアドバイスを頂きました。2番目のお便りを ご覧下さい。感謝!!
お便り2001/1/30
from=岡崎和弘
問1 「質問397問1の下の図の赤い部分の面積 を求める初等幾何的方法」 質問397問1は、「武田さんからのお返事」の中の下の図において、 右上の円と左下の円の交点のうち左上の点をA、右下の点をCとします。 左上と右下の円の交点のうち左下の点をB、右上の点をDとすると 点A、B、C、Dは各円の中心であり、四角形ABCDは正方形です。 さらに、左下の円と右下の円の交点のうち上の点をE 左上と左下の円の交点のうち、右側の点をFとします。 以下は、この正方形ABCDの中だけで考えて 「武田さんからのお返事」の下の図の赤い部分の面積を求めます。三角形BCEは正三角形です。 また、点Bは左下の円の中心ですので、線分AB、線分BE、 左下の円の一部AEで囲まれた部分は、中心角30度の扇形です。 同様に、線分CD、線分CE、円の一部EDで囲まれた部分は扇形です。 左下の円の一部AEと右下の円の一部EDと線分ADで囲まれた図形AED (以下、図形AEDとする)の面積は、 (図形AED)=(正方形ABCD)-(正三角形BCE)-(扇形ABE) -(扇形ECD) 1 1 π =1×1-─×12 ×sin60°-2×──×12 ×─ 2 2 6 √3 π =1-──-─ 4 6 で求められます。
線分AD、線分CD、左下の円の一部ACで囲まれた部分を図形ACD、 線分AB、線分BC、左下の円の一部ACで囲まれた扇形を扇形ABCと すると、図形ACDの面積は、 (図形ACD)=(正方形ABCD)-(扇形ABC) 1 π =1×1-─×12 ×─ 2 2 π =1-─ 4 で求められます。
右下の円の一部DE、左下の円の一部EF、左上の一部DFで囲まれた 部分を図形DEFとすると、この面積は、 (図形DEF)=(図形ACD)-2×(図形AED) π √3 π =(1-─ )-2(1-──-─ ) 4 4 6 π √3 =──-1+── 12 2 で求められます。
左上の円の一部BDと右下の円の一部BDで囲まれた部分を図形BD 線分AB、線分AD、左上の円の一部BDで囲まれた扇形を扇形ABD 線分BC、線分CD、右下の円の一部BDで囲まれた扇形を扇形BCD とすると、図形BDの面積は、 (図形BD)=(扇形ABD)+(扇形BCD)-(正方形ABCD) 1 π 1 π =─×12 ×─+─×12 ×─-1×1 2 2 2 2 π =─-1 2 で求められます。
赤い部分の面積は、 (赤い部分の面積)=(図形BD)-2×(図形DEF) π π √3 =(─-1)-2(──-1+── ) 2 12 2 π =─+1-√3 ……(答) 3 で求めることができます。
お便り2001/2/3~4
from=岡崎和弘
問2 質問397問1へのコメントを早速きれいな図をいれて ホームルームに載せていただきありがとうございました。 図はどのようなソフトで描いているのですか。 乗りかかった船ですので、質問397問2についても考えてみました。 少し古い高校の参考書(昭和55年発行)を見ていたら、 余弦定理のところに、第一余弦定理と第二余弦定理の2つが書いてあり ました。 第二余弦定理は現在の教科書にも載っている、 a^2=b^2+c^2-2bc・cosA b^2=c^2+a^2-2ca・cosB c^2=a^2+b^2-2ab・cosC です。 第一余弦定理は、 a=b・cosC+c・cosB b=c・cosA+a・cosC c=a・cosB+b・cosA です。 この第一余弦定理を使うと、 質問397問2の辺AC、BCの長さを求めることができると思うのですが。 以下記号は武田さんのホームページの記号を使います。質問397問2(1)の解より、c=2√5 であり、 外接円の半径が√10ですので、 正弦定理から、φ=45°または135°です。 条件の内積の式から得られる、cb・cosθ=8と、 ca・cosψ=12にcの値を代入した式を、 2√5・cosθ=8/b、2√5・cosψ=12/a と変形して、 cとφの値を第一余弦定理のa=の式とb=の式に代入した式にあてはめると、 aとbの式が2つできます。 {a=b・cosφ+2√5・cosψ=b・cosφ+12/a……① {b=2√5・cosθ+a・cosφ=8/b+a・cosφ ……② この連立方程式を解くことによって aとbを求めることができると思います。 ①×a-②×b a2 =ab・cosφ+12 -)b2 =8+ab・cosφ ─────────────── a2 -b2 =4 b=±√(a2 -4) (※再度アドバイスがありましたので、以下訂正します。感謝!!) b>0より、b=√(a2 -4)……③ ①に、φ=45°または135°より、 φ=45°のときはcosφ=1/√2ですが、 φ=135°のときはcosφ=-1/√2ですので 以下の2行は場合分けが必要だが、±とまとめて計算すると、 ±1 12 a=b・──+── √2 a √2a2 =±ab+12√2 ③を代入して、 √2a2 =±a・{√(a2 -4)}+12√2 ±a・{√(a2 -4)}=√2a2 -12√2 両辺を2乗して、 a2 ・(a2 -4)=2a4 -48a2 +288 a4 -4a2 =2a4 -48a2 +288 a4 -44a2 +288=0 (a2 -36)(a2 -8)=0 a2 =36またはa2 =8 a=±6または±2√2 a>0より、a=6または2√2……④ ④を③に代入して、 a=6のとき、b=√(36-4)=√32=4√2 a=2√2のとき、b=√(8-4)=√4=2 {a=6、b=4√2 {a=2√2、b=2 (答){a=6、b=4√2、c=2√5のときは、φ=45°の三角形 {a=2√2、b=2、c=2√5のときは、φ=135°の三角形
お便り2001/11/10
from=入江博司
4枚の楓(かえで)の面積をまず求める。黄色、緑、水色、ピンクの4枚 である。 △EBCが正三角形だから、∠ECB=60°、∠ABE=30° 扇形ABEの面積=π×12×(30°/360°) π =―― 12 扇形EBCの面積=π×12×(60°/360°) π =― 6 1 √3 正三角形EBCの面積=―×1×sin60°×1=――― 2 4 楓ABEの面積=扇形ABEの面積-(扇形EBCの面積-正三角形EBCの面積) π π √3 π-2π+3√3 =――-(―-――)=―――――――― 12 6 4 12 3√3-π =――――― 12 3√3-π π 目的の解答の白い部分の面積=1×1-4×―――――=1-√3+―………(答) 12 3