質問<3828>2011/12/15
実数x,y,zについて、不等式 |x|+|y|+|z|+|x+y+z|≧|x+y|+|y+z|+|z+x| を証明せよ。また、等号が成立する場合を調べよ。 両辺ともに正なので、 (左辺)^2≧(右辺)^2 (左辺)^2-(右辺)^2≧0 これを証明すればいいことは分かります。 両辺を二乗すると、 (見づらいので、xy=A,yz=B,zx=A とおいてます) (左辺)^2 =2(x^2+y^2+z^2) +2(|A+|B|+|C|) +2(|x^2+A+C|+|A+y^2+C|+|C+B+z^2|) (右辺)^2 =(x^2+2y^2+3z^2) +2(A+B+C) +2|A+C+y^2+B| +2|C+x^2+B+A| +2|B+A+z^2+C| とりあえず、上記の計算結果になりましたが、自分にはこれ以上、どうすることもできませんでした。 |x|+|y|+|z|≧|x+y|+|z|≧|x+y+z| この関係式をうまく使えば証明が出来るのかもしれませんが、今の自分にはさっぱり分かりません。 それとも、もしかしたら、両辺を二乗しなくても証明はできるのでしょうか? 正直、全く歯が立たなくて困っています… どなたか、ご教授をよろしくお願いします。 ★希望★完全解答★
お便り2011/12/21
from=平 昭
こんばんは。ちょっと面倒かもしれませんが、順番に場合分けしていくと、さほど悩まずに済みまし た。簡単にわかる場合を先に考えて行くと、残る場合はあまり多くありません。 等号成立条件の書き方がややこしいですが。以下、解答です。 f(x,y,z) =|x|+|y|+|z|+|x+y+z|-(|x+y|+|y+z|+|z+x|) と置く。任意の実数x,y,zについてf≧0を示せばよい。 まず、x,y,zの少なくとも一つが0である場合を考える。 例えばz=0の時、 f(x,y,0)=|x|+|y|+|x+y+|-(|x+y|+|y|+|x|)=0である。 つまり、xyz=0ならば題意は成立する。 次に、x>0 かつ y>0 かつ z>0の場合を考える。 この時、絶対値は無視できて f(x,y,z)=x+y+z+x+y+z-(x+y+y+z+z+x)=0 で題意は成立。 また、式の形からf(x,y,z)=f(-x,-y,-z)、、、★ は明らかなので x<0 かつ y<0 かつ z<0の場合も f=0となり題意は成り立つ。 最後に、まず、x,y,zのうち二つが正で、一つが負である場合を考える。 ★の式より、この場合に題意が成立すれば、二つが負で一つが正の場合も成立することは明らかである。 さて、例えば、x>0,y>0,z<0とすれば f(x,y,z) =x+y+|z|+|x+y+z|-(x+y+|y+z|+|z+x|) =|z|+|x+y+z|-|y+z|-|x+z| ここで場合分けする。 (1) x≧|z| かつ y≧|z|の場合。この時、 |x+y|=x+y≧|z|なので f(x,y,z) =|z|+|x+y+z|-|y+z|-|x+z| =|z|+|x+y+z|-|y|+|z|-|x|+|z| =|z|+|x+y|-|z|-y+|z|-x+|z| =2|z| >0 で成立する。 (2a) x≧|z| かつ y≦|z|の場合。 この時やはり、|x+y|=x+y≧|z|で f(x,y,z) =|z|+|x+y+z|-|y+z|-|x+z| =|z|+|x+y+z|+|y|-|z|-|x|+|z| =|x+y|+y-x =2y >0 (2b) x≦|z| かつ y≧|z|の場合も同様で、 f(x,y,z)=2x>0 (3)x≦|z| かつ y≦|z|の場合。 この時、さらに場合分けして (3a) x+y≧|z|ならば f(x,y,z) =|z|+|x+y+z|-|y+z|-|x+z| =|z|+|x+y+z|+|y|-|z|+|x|-|z| =|z|+|x+y|-|z|+|y|-|z|+|x|-|z| =2(x+y-|z|) ≧0 で題意は成立する。また、 (3b) x+y≦|z|ならば f(x,y,z) =|z|+|x+y+z|-|y+z|-|z+x| =|z|+|x+y+z|+|y|-|z|+|x|-|z| =|z|-|x+y|+|z|+|y|-|z|+|x|-|z| =0 でやはり題意は成立する。 これで、題意は証明された。 等号が成立するのは (イ) xyz=0 (ロ) x>0 かつ y>0 かつ z>0 (ハ) x<0 かつ y<0 かつ z<0 (ニ) x>0,y>0,z<0など、x,y,zのうち二つが正で一つが負であり、 かつ、x+y≦|z|など、正の数二つの和が、負数の絶対値以下の場合。 (ホ) x<0,y<0,z>0など、x,y,zのうち二つが負で一つが正であり、 かつ、|x+y|≦zなど、負の数二つの和の絶対値が、正数以下の場合。