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御返事ありがとうございました。
まず、問題の方なんですけど、英語を訳したもので、書き忘れた肝心な
ことがありました。賞品は一つしか用意されていないのです。
他の掲示板でもこの質問を聞き、こういう返事が返ってきました。
これは、「数学の世界掲示板」の「しっぽ愛好家」さんのものです。
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「賞品」は何個用意されているのでしょうか?とりあえず,
考えやすい場合, つまり「賞品は1個しか用意されていない」
という場合について考えてみます. 
%%% もちろん, 「賞品は無限個用意されている」場合が
%%% 一番簡単で, その場合は賞品をもらえる確率が最大となる
%%% 順番はない (なぜなら, 後ろに並ぶほどもらえる確率は
%%% 高くなる) わけですが…
賞品が1個限りの場合, 賞品をもらえるのはつぎの条件をみたす
場合になります. 
(i)  自分よりも前に並んでいる人たちの誕生日はすべて互いに異なる
かつ
(ii) 自分の誕生日は, 自分よりも前に並んでいる人の誕生日のどれか
と一致する
以下, 話を簡単にするために「『2 月 29 日生まれ』の人は並んで
いない」, 「(2 月 29 日以外の) どの日も, 並んでいる人たちの誕生
日の中に現れるのは同等に確からしい」ものと仮定します. 
さて, 自分は前から n 番目に並んでいるものとすると
(明らかに, 先頭に並んでいる人が賞品をもらえることはないので 
n > 1 の場合のみを考えます),
(i) が起こる確率は, 
2 ≦ n ≦ 366 の場合:
     364 363     367-n
   1・───・───・・・・・─────
     365 365      365
n ≧ 367 の場合:0
です. また, 2 ≦ n ≦ 366 の場合, (i) が起こったという条件下で 
(ii) が起こる確率は (n - 1) / 365 です. したがって, n 番目に
並んだときに賞品をもらえる確率を p(n) と書けば, 
2 ≦ n ≦ 366 の場合:
          364 363     367─n n-1
   p(n)=1・───・───・・・・・─────・───
          365 365      365  365
n = 1 または n ≧ 367 の場合:p(n) = 0
となるわけです. あとは, 2 ≦ n ≦ 365 に対して
p(n+1) / p(n) と 1 との大小関係
を調べてみると, (簡単な 2 次不等式を考えることになります)
      2 ≦ n ≦ 19   のとき p(n+1) / p(n) > 1
      20 ≦ n ≦ 365 のとき p(n+1) / p(n) < 1
が得られるので, p(20) が最大, すなわち, 20 番目に並べばよい, 
とわかります. 
%%% 計算間違ってないかしら?
%%% 誰か, 賞品が N 個用意されている場合を考えてみてください. 
%%% 下手にやると面倒なことになりそうなので今やるのはやめて
%%% おきます…
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見た限り合ってるような気がするんですが、何しろ確率が大の苦手で、
何故「(i) が起こったという条件下で (ii) が起こる確率は
 (n - 1) / 365 」なのか分かりません。
あと、何故2月29日を除くと言いながら、2 ≦ n ≦ 366
を使うのか。
それと、最後の大小関係がよく分かりません。
お返事98/8/17
from=武田
賞品は一つしか用意されていないのでしたか。 「数学の世界掲示板」の「しっぽ愛好家」さんの回答は素晴らしいですね。 ちかこさんの3つの質問に答えます。 まず、「何故、(i) が起こったという条件下で (ii) が起こる確率は (n - 1) / 365 なのか」ですが、前に並んでいる(n-1)人の誕生日は 全員違うので、(n-1)日あります。私が前の人の誰かと同じ誕生日に なる確率は、365日中の(n-1)日ですから、上記の確率になるわけ です。 次の、「何故2月29日を除くと言いながら、2 ≦ n ≦ 366を使うのか。」 ですが、2月29日を除いているので、365です。この範囲はそれとは違って、 はじめの一人を除くので2以上、それとnは私も含んでいるから、全員誕 生日が違う可能性より365人+私=366以下となります。367人以 上は、必ず366人までに同じ誕生日の人がいるので、確率0となります。 3つ目の「最後の大小関係がよく分かりません。」ですが、大小関係を考 えるとき、p(n+1) > p(n) として計算することもありますが、両辺をp(n) で割って、p(n+1) / p(n) >1として計算することもあります。今回のよう に 364 363 367─n n-1 p(n)=1・───・───・・・・・─────・─── 365 365 365 365 のときは、これを使うと、約分ができて計算が簡単になります。 p(n+1) / p(n)=(367-n-1)*n / 365*(n-1) となります。2次不等式を解い て、n=20を見つけるわけです。 なお、BASICのプログラムで計算してみると、 p(20)=0.0323となり、最大確率3.23%であることがわかります。
 
 
 
 
