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不定積分∫cosx/(1+sinx) dxを2通りの方法で求めよ。 (1)sinx=tとおく (2)tan(x/2)=tとおく ★希望★完全解答★
お便り2005/6/13
from=KINO
C は積分定数です。
(1) dt=cosx*dx なので
∫(cosx/(1+sinx))dx=∫dt/(1+t)=log|1+t|+C=log(1+sinx)+C.
(2) 1+tan^2(x/2)=1/cos^2(x/2) より cos^2(x/2)=1/(1+t^2). また
sinx=2sin(x/2)cos(x/2)=2tan(x/2)cos^2(x/2)=2t/(1+t^2),
cosx=2cos^2(x/2)-1=2/(1+t^2)-1=(1-t^2)/(1+t^2).
そして dt=dx/(2cos^2(x/2))=(1+t^2)dx/2 より dx={2/(1+t^2)}dt.
以上より,
∫(cosx/(1+sinx))dx
=∫{(1-t^2)/(1+t)^2}{2/(1+t^2)}dt
=2∫(1-t)dt/(1+t)(1+t^2).
ここで,
(1-t)/{(1+t)(1+t^2)}=a/(1+t)+(bt+c)/(1+t^2)
とおいて a, b を定めます。右辺を通分すると
(分子)=a(1+t^2)+(1+t)(bt+c)=(a+b)t^2+(b+c)t+(c+a)
となるので,これが 1-t に恒等的に等しいためには
a+b=0, b+c=-1, c+a=1 でなければなりません。
この連立方程式を解くと,a=1, b=-1. c=0 となります。よって
(1-t)/{(1+t)(1+t^2)}=1/(1+t)-t/(1+t^2)
と部分分数に分解されます。よって
2∫dt/(1+t)(1+t^2)
=2{∫dt/(1+t)-∫tdt/(1+t^2)}
=2log|1+t|-log(1+t^2)+C
=log{(1+t)^2/(1+t^2)}+C.
ここで,1+sin^2(x)=(1+t)^2/(1+t^2) であることから,
(1) と (2) で得られた結果は同じものであることがわかります。
お便り2005/6/13
from=wakky
通常は(1)の方法でやるのが定石でしょうねぇ。 cosx/(1+sinx)=(1+sinx)’/(1+sinx) ですから log|1+sinX|+Cってところでしょうね。 どんな参考書にも出てると思いますよ (2)はこの問題を解くときには使わないと思いますが、 多分、この置換で、大抵の三角関数の積分ができるという事例を示したかった のでしょう。 ちなみに、次の法則じみたものを示しておきます。 積分の∫記号は省略します。 f(sinx)cosxのとき・・・sinx=tと置換 f(cosx)sinxのとき・・・cosx=tと置換 f(tanx、cos^2x、sin^2x)のとき、tanx=tと置換 その他の場合 tan(x/2)=tと置換 こんな感じで(2)をやってみてください いささか酔ってますので、間違ってたらごめんなさいね(笑
お便り2005/6/15
from=WU
∫cosx/(1+sinx) dx
(1)
t=SINxとおくdx/dt=1/COSxであるから
 (与式)=∫(COSx/(1+t))(dx/dt)dt
     =∫1/(1+t)dt
     =∫(1+t)'/(1+t)dx
     =log(1+t)+C
     =log(1+SINx)+C  (Cは定数)
(2)
(与式)=∫(COSsの2乗-SINsの2乗)/(1+2SINsCOSs)dx
(但しs=x/2、dx/dt=2COSxの2乗))
   =∫(上と同じ式)×2COSsの2乗×dt
   =∫(COSsの2乗-SINsの2乗)/(1+SINsCOSs)×(COSsの2乗)dt
  (ここで二倍角の定理)
ここで、TANs=t、1/(COSsの2乗)=tの2乗+1であることを考え合わせると
(与式)=2∫(1-t2乗)/(1/(COSt2乗)+t)(COSt2乗)dt
   =2∫(1-t2乗)/(2t+1+t2乗)×1/(1+t2乗)dt
   =2∫(1-t)/{(1+t)(1+t2乗)}dt (式整理)
   =2∫{1/(t+1)-t/(t2乗+1)}
   =2{log(t+1)-(1/2)log(t2乗+1)}+C
(以下C一部省略)   
   =log{(t2乗+2t+1)/(t2乗+1)}
   =log{1+2t/(t2乗+1)}
   =log{1+2TANs/(TANs2乗+1)}
   =log{1+2SINsCOSs/(SIN2乗+COS2乗)}
   =log(1+SINx)+C (二倍角の定理)
お便り2006/9/18
from=maro
質問<2412>のWUさんの解答の中で (与式)=∫(COSsの2乗-SINsの2乗)/(1+2SINsCOSs)dx (但しs=x/2、dx/dt=2COSxの2乗)) =∫(上と同じ式)×2COSsの2乗×dt =∫(COSsの2乗-SINsの2乗)/(1+SINsCOSs)×(COSsの2乗)dt とありますが、 ∫(cos^2q-sin^2q)/(1+2sinqcosq)・2cos^2q・dx =∫(cos^2q-sin^2q)/(1+sinqcosq)・cos^2q・dt ※本来はsですが見にくくなるのでqに変えてあります と変化する過程がわかりません。 どなたか詳しくお願いします。
お便り2006/10/7
from=主夫
私は解答者さん本人ではありませんので,真意はわかりませんが, おそらく ∫(cos^2q-sin^2q)/(1+2sinqcosq)・2cos^2q・dx ここのところを ∫(cos^2q-sin^2q)/(2+2sinqcosq)・2cos^2q・dx と間違えて約分されたのではないかなぁと思います。 そのほかの部分は検証していませんので,最終的な答えが正しいのかどうかは わかりかねます。
 
 
 
 
